読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

treasure

ニッポンヴィジョンズ審査員特別賞受賞作品 日本零年三部作第二部、『DUAL CITY』の情報は→ http://ek-stase.under.jp

日本零年三部作、第一作『イリュミナシオン』予告編

イリュミナシオン/アビス

8

おれたちが自分で焼いた街から逃げる時、おれは笑っちまう。家畜も人間どもも、月の光を浴びて、血の池の中でごちゃ混ぜになるんだ。火にあぶられた灰と血の匂いに、おれは鼻をふさぐんだ。ときどき、おれは屠殺の現場のほうを振り返る。山と積まれている死体のそばに、裸でひっくり帰っている子供の筋肉や、ぴくぴく動く静脈に触る。すると子供が目を開いて、おれを見つめる。おれはその目を銃尾でなぐりつける。それから、煙でけぶる廃墟のうしろであえぎながら隠れている犬どもを呼ぶ。

 

おれは山とつまれた死体の上に座る。星のまたたく夜空の中で目がくらむ。

 

 

 

 

A「最近、変なものばかりみるんだ。バッドトリップってこれなのかな。周り中がれきに死体だらけ。煙があちこちから立ち上がってる。北部の誰かの時間なのかな?空は青い。ぼくはつまづきながら、だれかを探してるんだ。あんな気持ちは初めてだ。」

B「僕は雨が見えた。落ちて行くのはとても楽しかった。」

C「私はすごく透明な景色。言葉が生まれる前みたいな砂漠だった。それを見ながら、もし私がこれから戦う中で、捕まっても、体や顔が、めちゃくちゃにされても、痛みでうめくことしかできなっても、動かなくなっても、心だけは絶対に、自由でいられるとわかったの。」

 D「見つかるのかな?思考がどんどん狭まって行く感じ。でもとてもクリア。シンプルでわかりやすい。突破への道しるべが僕には見えている。」

E「生きて行こう、関係ないことなんて、ガン無視でいいんだよ。泥の中で歌おう、人間以前に戻ろう、天国だってもう、いらない。ただ生まれて来たことを味わいたいんだ。」

F「そのフェンス飛び越えろよ!(笑い、怒り・・・)飛び越えろよ!」

G「そして、誰もつかまる必要はない、さぁ、早く、あっちからーー」

H「神様がどう思うかはわからないけど...私が全部ゆるしてあげる。過去も未来も。何もかも。」

I「体なんてなくてもいいのよ、私はとても心地よい。温かいプールに包まれたような感じ。あらゆる、雑音や摩擦、困難はなくなる。」

J「どこかの誰かも、俺たちを見ているかもしれないね。そうやって、少しずつわからないことが、わかる感じがして、全てがいい風に続いて行ったら、いいね。」