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ニッポンヴィジョンズ審査員特別賞受賞作品 日本零年三部作第二部、『DUAL CITY』の情報は→ http://ek-stase.under.jp

日本零年三部作、第一作『イリュミナシオン』予告編

29:59 SOUNDS FOR TWENTYNINEMINFIFTYNINESEC PROJECT

Ameoba Yokna hasegawa_sml

AMOEBA
YOKNA HASEGAWA
31.03.2017
Japan, consist of islands in Eastern Asia. Built and rebuilt, like Amoeba. Thousand mentalities within me softly burn.

for http://twentynineminfiftyninesec.tumblr.com

 

 

Yokna Hasegawa joined twentynineminfiftyninesec project as Curator.

Enjoy!

 

29:59の分数で、一つのテーマに絞り、音楽をウェブ上で展示するプロジェクト(簡単にいうとミックス)に参加しました。
自分のDNAを返せる海を作るようなプロセスでした。

2012年に、CTM FestivalのGhosts off the shelfという展覧会で作品を上映したのですが、そのとき呼んでくれた、Thibautがまた誘ってくれました。
2012年にはThe east is redという作品を流しました。このページで紹介していただいてます。

2012 - ghosts off the shelf - thibautderuyter


このAMOEBAというミックスは、自分でも非常に気に入っているのですが、もしかしたら批判的に思う方もいるかもしれません。最初はアジア全体で集めていたのですが、29:59に収まりきるわけもなく。日本にフォーカスすることにしました。

私が意識していたのは、一つ目は、国としての日本ではなく、境界が曖昧な、島とか土地とか風土的なものです。もちろんいろんな文化が入ってはミックスされてきているわけですが、そういう中でもここにしかないものがあるかどうかで判断しました。それはかなり主観的なものかもしれないです。もう一つは、日本内外で日本的として認められているもの?オーセンティック、制度的なものじゃなく、今もまだアウトサイドに存在する、何かを選びたく思いました。

特に島尾さん一人の語りに、大勢の大和言葉の歌が乗っかってくるのは、そして島尾さんがしばらく語り、語りやめる瞬間を目撃するのは、でも語りやめたあともそのたった一人の言葉や、リズムの感覚がかき消されることなく確かに持続していると知るのは、今流れているように見えるものとはまったく違う場所にただあるもう一つの時間を、遠くに感じてしまいます。

吉増剛造は、10代、非常に影響を受けました。ご本人に、「剛造殺し」という詩を渡して、お返事をいただいたこともあります。殺すというのは危なっかしく聞こえるかもしれませんが、吉増さんの詩を読めば、オモチャのナイフで、詩の内容は一番簡単にいうと、自分自身の吉増剛造からの影響を殺したい、(そのくらいあなたの詩が好きだ!)というものです。笑

 

このミックスを作る上で、とても興味があったことに、率直に言って、「海外の人が聴いて、どう思うだろうか?」ということがあります。
自分の映画は初期のものを含め日本でほとんど上映されたことがなく、海外の方が面白いと言ってくれることで、自分が正しいと信じていることへの、自信を取り戻せたような部分もあります。勿論海外にもいろんな人はいますが。少なくとも私のことを見ようとしてくれたのは異なる文化を理解する力を持つ人たちが最初でした。おそらく、自分で分析するに、アウトサイダー感が強調されるからなのではとは思いますが。あるいは、もっと良い考え方で、これからも目指していきたいのは、何らかの普遍的な瞬間に触れる、というものです。かといって別に、海外向けに作りたいわけでもなく、日本の文化に人一倍敬意もあるつもりなので、私は日本にいながらにして、「異邦人」的な部分があるのかもしれない..と最近思い始めてきていました。

自分にとってこのミックスは、日本を押し付けるものではなく、異文化に媚びるものでもなく、ガチでカッコいい、オリジナルだ、綺麗な箱に入っていない、と思うものを集めた結果です。最初アジアの他の音源を聴いているときの取捨選択もそうでした。

なので日本という自国に絞った場合、それをどういう風に、他の文化を持つ人が感じるのか、(特に吉増剛造の朗読は、日本語を知らない場合、どう思うのか、)非常に興味深いところです。
島尾さんの語っていることばは、自分にとって、意味がわかるような、わからないような場所にあって、それもまた、さらに遠い文化の方(あるいは、むしろ、日本の標準語よりも、言語的に近づく方もいるかもしれません。)に、どう聴こえるのか、興味深くはあるのですが、吉増さんの言葉は、意味を受け取るので、意味の魅力にも引っ張られているのは確かなのだろうと思います。

 

隠れキリシタンのおらしょは、この入れ方で良いものか、迷いもありますが、なんだろうと思った方は、ぜひ、探してみて音源を全部聴いてみてください。ネット上でも、いろんな土地での音源の録音、紹介がありました。

 

芸能山城組を二曲入れてしまったのは、私の勉強不足ですが、何Gかわからないほど大量の音源を聴く中でも、山城組は驚くものがやはりあり、AMOEBAという死生観にも関連のある、輪廻交響楽からミックスさせていただきました。
最後にLINEKRAFTのDEATH BEHINDを知ったことで現代の日本につなぐことができ、約1年間くらいお待たせしてしまった、thibautへの借りを返すことができました。

 


私なりの日本の多層的な精神を集めようとした結果がこうなりましたが、以上のように、鎖国的というよりは、色々可能性を集めたかったです。

そして、そういった、自分に近いところにあるはずの、文化のすごさに浸ることで、本質性への遥かな距離も実感しています。世界へ向けてだと、日本生まれということがルーツになり、私にとって日本が、細部とか知っている個々とか住んでいた場所、ではなく、さまざまな色の地層を飲み込んだ、透明なアメーバとして、見えるようになってきます、そうなってくるとすごく美しくて、ただそれだけに浸っていて、その土地で生まれてはかき消されたり重なってきた、何かを継承する乗り物になることだけを、考えていれば済むのです。

 

それがどういう意味を持つか、なかなか難しいけれど、(-つまり、私の動きの精密さの可能性と、そういった芸術の流れへの交流が成功する確率、を考えると、難しい気持ちにはなりますが、)

とにかくこの音源は古代の風を感じるような部分があって、遥か遠くのものとも、縦横無尽に対話できるのが、芸術の凄さだとも思っているので、とても気に入っています。
そしていつか今の時代も太古になるという意味で、同様に未来的な作品にもなっていたら嬉しく思います。

長谷川億名

 

track list :
FTP > Bundle / Conduit 23 - Paul D. Miller aka DJ Spooky That Subliminal Kid
Susano-o~Yamatano Orochi~ⅱ- 鈴木輝昭 古事記頌歌, 須佐之男~八俣の大蛇~ⅱ [Teruaki Suzuki]
渔舟唱晚(古筝与乐队)- 华夏民族乐团
PASSPORT CONTROL - Dumb Type
S.F.#2 (Performance Version) - 古橋悌二& 山中透 [Teiji Furuhashi & Toru Yamanaka]
Reincarnation - 芸能山城組,輪廻交響楽, 転生 [Geinoh Yamashirogumi]
You Say To The Boy Open Your Eyes - Derek Jarman
Deusupaitero - 壱部御爺役土肥栄、信徒磯元義明、大石義孝 生月壱部かくれキリシタンのゴショウ(おらしょ),デウスパイテロ [Oratio Chorus By Crypto-Christian in Nagasaki, Hirato, Ikitsuki-Iland, Ishibu]
Furube Yurayura - 柴田 南雄ふるべゆらゆら ふるべゆらゆら(語り:島尾ミホ吉増剛造 [Minao Shibata (Reciter: Miho Shimao, Gōzō Yoshimasu)]
Falling As Flowers Do, Dying A Glorious Death - 芸能山城組,輪廻交響楽,散華 [Geinoh Yamashirogumi]
Death Behind - Linekraft
https://www.mixcloud.com/twentynineminfiftyninesec/yokna-hasegawa-ameoba/

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