Truant

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長谷川億名 写真集『67eyes』

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長谷川億名『67eyes』

 

Yokna Hasegawa『67eyes』
Size: 297×210mm 40pages
Edition: 50copies
Price: ¥2,500
Publisher: SPACE CADET

 

 

 

 

・生き返ることに対する何か

・「魂の中であなたを呼ぶ物」

・私達は言葉でわかり合うことはなかった.

 

・BAD ETHOS

「むいてささくれたものを撮りたい,

作り込んだものではなく,

いやむしろ、作り込んだ中を裂けてくるリアル」(2012くらいのノート)

 

・自分が欲しているものを深く知る必要があり、全てはそこから始まる.

・誰かと親密な仲になることで、生きる糧になる

 

「この時世界では...」

無国籍/海

コレスポンダンス

 

「(ここから)海が見える」

(d'ici) on voit la mer.

 

 

夜の果てへの旅

 

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6月にお話を頂いた時、私は気仙沼の明るい素敵なカフェにいた。

1日目の打ち合わせの中で、ディレクターの鈴木さんは、デザイナーの岸田さんがコンタクトにしてくれた、次々と出てくる乱雑で雑多なイメージたちを見て、いつも通りクールではあるが、悩ましそうだった。私自身、途方に暮れていた。

参考として持って行った写真集は、スタジオボイスの90年代写真集特集と、ナン・ゴールディンの手に入れやすくまとめられたテキスト入りの本、清野さんの写真集。

「90年代のスナップ写真の感覚を、イメージが溢れる2017年、現在形にするには?」

イメージ達の中から、鈴木さんは、10年前の映像から切り出したスチールを見出してくれ、次回はもっと持参して、それを中心にまとめて行くことになった。

結果として、一番古いイメージは、12年前のものとなった。

 

1日目、外へ出て、夕方で、二人とも缶ビールを持っていて、「連休最初の日はすごい夏っぽいなぁ」とすーさんが言った。この日wwwの上で初めて細倉さんに紹介してもらった。

ライブ後、久しぶりに会ったごろう君に、「よくな、スッキリした顔してんな。そんなんじゃ、もういいもん撮れねえよ」と言われた。

言って貰えて良かった。と思うと同時に、激しい感情が(ごろう君にというよりは多分自分に)湧き上がった。

私は、「それは確かにそうだ。自分でもわかっている。でも、最近やっと"退院"できたんだ。見ててくれ、これから私は復活する。」

そんな様なことを言った。

 

実際は、2016年、2017年に撮ったものを含めて、様々な年代のイメージが、この写真集の中には入っている。

 

私と道を一緒に歩いてくれた人たち、眩しい日差しの中で、みんな眠る夜に起きて、雨に濡れて、汗に濡れて、机越しに、「禁猟区」で、本を重ねてカメラを挟んで、延々と言葉を費やして、沈黙を恐れず、大切なことを教えてくれた人たちとのeye contactの全てが多分入っている。

 

 

 

同時に

67eyesは、田舎のグロテスクな子供だった私が見た孤独な原風景のヴィジョンで、

今でもたまに見る高校時代の悪夢のように、逃げ回った自分が車窓に見た、脱臼した世界の不可解な美しさで、

一つの人間の意識の流れ(心の中の一瞬)で、

撮りたかったが撮れなかったものへの追想で、

世界が広いことへの歓喜で、

ランダムなアラームがついていて、相手にいつ届くかわからない、時差のあるテレパシーでもある気がする

 

そういったモヤモヤした影、純粋なエゴ、決して理解されやすいとは言えないものが、形になったのは、Space Cadetの鈴木さんと岸田さんとの共同作業の中でだったからだと思っています。

 

色んな感想を聞きたいと思っているので、ぜひ手にとって見てみてください。

取り急ぎ、TOKYO ART BOOK FAIRで5日から、お待ちしております。